褥瘡が発生する原因には、圧迫や摩擦以外に、栄養状態も深く関係しています。介護士が高齢者の褥瘡を予防し、改善に導くためには、栄養面に目を向けて適宜見直すことも大切です。
介護施設に入居している場合は、高齢者一人ひとりの状態に合わせて食事のメニューは常に見直されています。しかし、それでも毎日しっかり食欲があり完食できる人ばかりではないため、状態によっては少しずつ栄養バランスが乱れていく可能性も十分にあり得ることです。

褥瘡の予防とケアを行ううでは、皮膚や組織の再生に必要な栄養素をバランスよく摂る必要があります。特に重要な栄養素は、タンパク質、ビタミン、ミネラルです。タンパク質は、皮膚や筋肉などの組織を作るために必要不可欠な栄養素です。
ビタミンCは、コラーゲンの生成を助け、皮膚の健康を維持する役割を持っています。亜鉛などのミネラルも、皮膚の修復に重要な役割を果たします。水分は、皮膚の健康を保つために欠かせません。1日に、体重1kgあたり約25mlの水分を摂取することが目安だといわれています。

また、エネルギーも褥瘡予防のために重要です。エネルギーが不足すると体の機能が低下し、褥瘡が悪化しやすくなります。体重1kgあたり、25から30kcalほどのエネルギーを摂取するように心がけましょう。
ただし、必要な栄養素、水分、エネルギーの量は、体重や持病によって異なります。医師や看護師などの指示に従って、適切な栄養管理を行うことが大切です。このように、適切な栄養管理は褥瘡の予防と改善に大きく影響するのです。