寝たきりや車椅子生活など、長時間同じ姿勢を続けなければならない人に、褥瘡ができやすい傾向にあります。しかし、同じ姿勢を続けている人でも、褥瘡ができる人とできない人がいます。
褥瘡ができやすい状態には、どのような疾患が関係しているのでしょうか。

褥瘡は、特定の場所が圧迫され続ける人にできやすいですが、それ以外にも特定の疾患のある人はより褥瘡の発生に注意が必要です。そのため、介護士は高齢者一人ひとりの疾患を事前に把握して、褥瘡に備えることが大切です。
むくみが強い人や、抗がん剤やステロイドなどの薬の副作用で免疫力が低下している人は、褥瘡ができやすい状態にあります。褥瘡は、予防することが重要です。

特に注意が必要な疾患として、うっ血性心不全、骨盤骨折、脊髄損傷、糖尿病、脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患などがあります。うっ血性心不全の人は、心臓のポンプ機能が低下しているため、血液の循環が悪くなりやすく、褥瘡のリスクが高まります。骨盤骨折や脊髄損傷の人は、体の動きが制限されるため、同じ姿勢を長時間続けることになり、褥瘡ができやすい状態です。
糖尿病の人は、末梢神経障害や末梢血管障害などを合併しやすく、血行が悪くなりやすい状態です。脳血管疾患の人は、麻痺などで体の動きが制限されることが多く、褥瘡のリスクが高まります。慢性閉塞性肺疾患の人は、酸素供給が不足しやすく、皮膚の組織が壊死しやすい状態にあります。これらの疾患を抱えている高齢者は、褥瘡予防に特に注意しましょう。